新技術開発助成

第90回新技術開発-11

膝関節症の進行を止め、症状を改善する予防医療用膝装具の開発

技 術 開 発
契 約 者
有限会社 愛トリノ
代表取締役 長谷川  學
所 在 地
愛媛県松山市
技 術
所 有 者
有限会社 愛トリノ
技 術
開 発 者
有限会社 愛トリノ
医療福祉機器開発室長 井上 誠二

技術開発内容

 変形性膝関節症は一度発病すると自然に治癒することは無く、加齢と共に歩行痛が激しくなり、後に歩行困難、寝たきりの症状につながってしまう。早い人では40代から発病するが、初期の段階で適切なケアをすることが出来れば、その進行を大幅に遅らせることが可能となる。しかし現在、市場には、初期の段階での適切なケアが可能な医療用具が無く、患者側も正しい知識が無いため、多くの患者は効果の低いサプリメントやサポーターを頼ったり、そのまま我慢したりして、症状を悪化させてしまっている。
 本技術開発では、膝関節症の初期段階から利用可能な、予防医療用膝装具の開発を目指している。膝関節症の進行を抑えるためには、膝関節への直接荷重軽減、膝回転角に応じた骨格矯正(図1)、ひねりを加えた歩行誘導といった高度な機能が必要となるが、本開発ではこの機能を独自のカム構造を駆使して、回転角に応じた伸縮、ひねりを実現する(図2)。また高い剛性と装着性を両立するために、CFRPを活用した薄肉フレームや今治タオルをベースとした内張り素材の開発を愛媛という地の利を活かして行う。
 本技術開発によって、膝関節症患者が初期の段階で適切なケアを行うことが可能になれば、膝関節症の進行を抑止出来、患者個人の人生の質を高めると共に、社会全体としても将来の歩行困難、寝たきり患者数の低減による地域活性化、医療費低減等、大きな効果が期待できる。


図

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