新技術開発助成

第92回新技術開発-01

超高圧運転を可能にするコンパクトな中型高圧ポンプ用動力の開発

技 術 開 発
契 約 者
ケイアンドアイ技術開発有限会社
代表取締役 高村 篤男
所 在 地
山口県光市
技   術
所 有 者
上記技術開発契約者に同じ
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 液体に速度や圧力の高エネルギーを与えることのできる高圧ポンプは、自動車内装材&特殊金属の加工・切断、化粧品素材&電子材料の微粒化、半導体部品のバリ取り洗浄、高圧ホースの耐久試験など、様々な場所で使用されているが、現存する3種類の超高圧ポンプ用動力は、いずれも大型機体、短寿命、熱膨張の影響等で高負荷運転に対応できない、環境負荷も大きい等の欠点を有している。
 本技術は、高圧ポンプの、サーボモータでネジナットに回転動力を与えるシンプルな構造の往復動ポンプ用動力装置に関するものである。図1に示すように、中空軸サーボモータの回転力が緩衝部および接続軸を介してネジナットに伝達される。ネジナット内のボールはネジ軸の溝に円滑に接触しており、ネジ軸はスプライン軸と一体的に構成された駆動軸で、スプラインナットにより駆動軸の回転を抑制されることから、ネジナットの回転に伴い、駆動軸は左右方向にスライドする。中空軸サーボモータは、一定周期で回転方向を変えることで、駆動軸もその周期で左右にスライドすることから、駆動軸の両端に設けられたプランジャが往復動し、シリンダ内部の液体に圧力を与えるポンプとなる。
 本技術の成果を用いた高圧ポンプは、緩衝部が内歯ギアと外歯ギアで構成されており、モータの回転子が熱膨張で長さが増しても緩衝ギア部でスライドすることから、部品の破損に繋がらず、長時間にわたり高負荷運転が可能になる。既存の超高圧ポンプに対し、サイズで1/3、モータ出力で1/2.34倍の省エネを実現するモデルも構想されており、現存する高圧ポンプ動力装置をコンパクト化し、熱膨張等の問題点を革新的に克服できる。このように国内外の大手高圧ポンプメーカに提供することによって、ポンプ業界に多大に貢献することが期待される。

図