免震ゴム・防振ゴムには、住宅・橋梁などの震災対策、列車や自動車などの静粛性・安全性付与をはじめとして時代の強い要請があり、その必要性はますます高まっている。免震ゴム・防振ゴムの製造においては金属材料とゴム材料の接着が鍵となるが、従来は溶剤に溶かした接着剤をスプレーで塗布する手法がとられVOC(揮発性有機化学物質)対策が必須であることに加え、塗着効率が低いという問題点があった。
本技術は、環境や健康への影響が懸念される有機溶剤の削減に向け、溶剤に溶けた接着剤をあらかじめ薄膜化し、得られたフィルムを金属表面に熱転写した後、ゴムコンパウンドと交互に積層させる独自技術である。接着剤フィルムの厚みは20-30μmが最適であること、離型フィルムには100μm厚のポリエステルフィルムが適していることを明らかにし、特許を取得した。開発した接着剤フィルムの接着力・保管性については公的機関の高い評価を得ている。今回、3次元的な複雑形状をもつ部品への対応に開発要素があり、真空プレス式転写法、温熱ゴムロール式転写法、超高圧真空成型転写法を考案した。これらの製造装置の試作を行なう。
本技術開発で生まれる商品にはコスト面や環境対応・安全面で高いアドバンテージが期待され、商品性に優れていると考えられる。免震ゴム・防振ゴムは文字通り「縁の下の力持ち」であり、一般の人が気づかないところでの大きな貢献が期待できる。
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