新技術開発助成

第92回新技術開発-10

オゾンを安定に保持できる新規溶剤を用いた揮発性消毒剤の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 E・テック
代表取締役 吉田 英一
所 在 地
兵庫県神戸市
技 術
所 有 者
上記技術開発契約者に同じ
技 術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

  安全で殺菌力に優れた消毒剤は、種々の現場から常に求められているが、医療機器の消毒に使用される強い殺菌力を持つグルタラール製剤、フタラール製剤及び過酢酸は、皮膚刺激性や吸入毒性が強い。また一般的に使用される塩素系薬剤や逆性石鹸は、材料の腐食性や効力面で問題を抱えている。そのため、安全性が高く、強い殺菌力を持つ消毒剤が切望されている。
 申請者らは、強い殺菌力を持つ活性成分として、米FDA(Food and Drug Administration)に食品添加物として認可されているオゾンに着目した。オゾンの欠点である気中濃度規制や安定性に対して有効な溶媒を探索評価し、化粧品原料として使用されている流動パラフィンを見出し、特許第4873755号「オゾンを含む消毒剤」で権利化し「オゾノイルα」として商品化した。
 本技術開発でさらに、市場で要望のある乾燥性を持った消毒剤の開発を目的として、刺激性の少ない揮発性流動パラフィン等の揮発性溶媒の検討やオゾン溶解条件の最適化等により、強力な殺菌力を持ち、安定且つ安全で使い勝手の良い新規消毒剤を開発する。
 本技術開発により、現行消毒剤で問題となっている刺激性を含めた安全性の改善が可能となり、医療、食品、農業、酪農分野への普及が見込まれる。また、日本を含めた世界各国で問題となっている、微生物による感染症、ノロウィルス、鳥インフルエンザ、SARS、大腸菌O157などの対策、日和見感染で問題となっているMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、院内感染で問題となっているMDRP(多剤耐性緑膿菌)などの対策に貢献できるものである。

図


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