温室効果ガス削減等の地球温暖化への対応は地球規模の大きな課題であり、日本においても様々な対策を推進しているが、原子力発電所の事故等もあり、CO2削減がますます難しくなっている。このような資源制約の中で未利用エネルギーの活用や省エネルギー化に向けた一層の取り組みが重要である。
本技術は、河川や工場排水等の未利用水力エネルギーに着目し、水撃現象(流れをせき止めることにより生じる急激な水の圧力上昇現象)を利用して、無電力で空気を圧縮するものである。この方式に基づく圧縮機は、導水配管とバルブ、圧力タンク(空気圧縮室)のみで構成されたシンプルな構造であり、水の運動エネルギーを圧力エネルギーに直接変換するため変換ロスが少ない。また、水がピストンの役割をしているため、一般的なコンプレッサーの金属製ピストンに比べて、空気漏れが無く、熱交換によって等温圧縮になるので効率が向上する。
製造業においては、空気圧縮機の駆動電力が工場全体の15〜20%を占めており、本技術開発で生まれる商品によって、工場設備の省エネ及びCO2削減効果が期待できる。また、圧縮空気を動力源とする機器の普及促進や、水処理施設や湖沼おける水質浄化のためのエアレーション等への適用等を通じ、環境面への貢献も期待できる。
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