半導体製造装置、工作機械等に機械要素として広く使われている直動転がり案内の静音化と長寿命化を図ることを目的とするものである。このために直動転がり案内(スライドガイド)の、直線運動を支持するレールを摺動するブロック内の転動体をリテーナに数珠つなぎ状態に個別に収納することが知られているが、このリテーナの強度が不足するとリテーナが破断し所期の目的を達成することができない。
本技術は、このリテーナの強度を高め、リテーナとしての機能を長期に保持するためリテーナの材料としては柔軟なエラストマーを用いると共に、破断に対する強度を高めるために、延伸フィルムをエラストマー製のリテーナの内部に補強材としてインサート成形する。このインサート成形される延伸フィルムは、転動体の形状に合わせて断面が大きく変化するように成型することにより、エラストマーに対する延伸フィルムの物理的な引っかかりによるエラストマーと補強材としての延伸フィルムとの一体化を図る。その結果、曲げ方向には柔軟で、引っ張り方向には高強度なリテーナを提供することができる。
直動転がり案内は、標準化がある程度進んでいるものの、大手メーカによる寡占的業界である。このような業界で、より高性能な技術を用いた製品が提供できることにより、地方企業での、もの作りの発展が期待される。
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