道路建設など人間の開発行為によって表土が剥がされた急峻な傾斜面(法面)をできるだけ元の自然環境に近くまで復元するためには、緑化による景観回復と同時に降雨などによる浸食を防ぐ機能とが求められる。植生(養生)マット工法は、外来種を用いて急速に緑化させる従来の基材吹付工法に比べて、より安定した緑化が期待できるが、その中でも「多機能フィルター」は適度な透水・排水・通気・保水・凍上防止・風害防止などの各機能を有し、エコシステムを形成して在来種や飛来種子による安定した植生回復が図れ、自然景観の回復と大きな浸食防止機能を発揮する。しかしながら近年増加しているゲリラ豪雨とよばれる集中豪雨では透水による土中水量が過大になり、法面崩落につながる危険性が出てきた。
新開発する「遮水緑化シート」は、従来品のウェブと呼ばれるPE繊維を絡めた通水層と、その下の植生基材の下に、新たに透水係数の低い第2のウェブ層を設けることにより、根の貫通を維持しながらより多くの排水を可能にし、土中への過度な浸水を抑制するものである。
この製品を用いた工法を普及させることにより、土木工事や災害によってもたらされた荒廃面の自然修復をより簡便・安価に、しかもゲリラ豪雨への耐性を格段に向上させて行うことができ、国内外における施工箇所の安全性を一層高めることができるものと期待される。
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