新技術開発助成

第94回新技術開発-11

ステントグラフト・メッシュ(構造)の高品質、微細レーザー加工技術の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 ワイヤード
代表取締役 星野 隆作
所 在 地
新潟県三条市
技 術
所 有 者
株式会社 ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー
技 術
開 発 者
株式会社 ワイヤード
取締役 杣 直彦

技術開発内容

  心臓弓部大動脈瘤のステント留置術治療に必要となるステントグラフトには、座屈し難い十分な屈曲性と拡張性を持つ構造が必要となり、その加工には困難を極める。本新技術開発は、独自のレーザー加工技術とそれによるステントグラフトの三次元加工システムの構築により、後工程を著しく軽減できる高品質なステントグラフトの加工技術を開発する。
 ターゲットとするステントグラフトは、医療用Ni-Tiチューブ材(Ø5mm)を用い、最適な裏あて剤によりレーザー加工時のバリやドロスを抑えるとともに(図1)、材料への熱履歴を抑え、Ø30mmに拡張可能な柔軟性を損なわないレーザー加工が適用される。本新技術開発では、最適な裏あて剤を開発することで、レーザー加工時に網構造の周辺に発生し易いバリやドロスを効果的に除去する。また、網構造の二次元設計データから三次元加工化を行うとともに、微細加工と高能率加工を両立する2波長レーザーにより構成された専用レーザー加工システムの開発を行う(図2)。弓部大動脈瘤のステント留置術治療は増大の一途を辿り、大きく屈曲する位置に用いられる特徴から、大口径であっても座屈しない機械的特性を有し、より柔軟で安全なステントグラフトが求められる。本新技術開発を通して、後工程を短縮するとともに、柔軟性を損なわず伸縮・屈曲性に富んだ高性能なステントグラフトの実現が期待される。


図

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