新技術開発助成

第95回新技術開発-08

高性能、高信頼、大容量、58nm 2Gb/4Gb B4-Flashメモリの開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 GENUSION
代表取締役 中島 盛義
所 在 地
兵庫県尼崎市
技 術
所 有 者
株式会社 GENUSION
技 術
開 発 者
株式会社 GENUSION
デバイス技術部取締役 デバイス技術部長 味香 夏夫

技術開発内容

 フラッシュメモリにおいてNAND型は大容量・低コストを特徴として主にデータ保存に用いられ、NOR型は高性能を特徴として主に機器に組み込んでプログラム等を保存する用途で用いられる。しかし、NAND型ではその大容量化に伴い信頼性の低下が著しく、市場で用途が限定され始めている。NOR型はその物理的な限界により大容量化が不可能となっており、大容量を求める市場要求に応えられない状況である。B4-Flashメモリ技術は既に90nmプロセスを用いて128Mb〜1Gbまでの製品化を実現しているが、さらにコストダウンして上記の要求に応えるために、今回、次世代製品として58nmプロセス技術を用いることで、4倍の容量である4Gb製品の実用化を目指し、これによりビットあたりのコストを4分の1に低減することを目指す。
 独自技術B4-FlashメモリはメモリセルにPMOSを用いるという、従来のNMOS を用いたNOR 型、NAND型フラッシュメモリと比べて非常に新規性・独創性が高く、その結果、大幅な高性能、高信頼、大容量化を実現できる。具体的にはPMOSでのB4ホットエレクトロン注入動作(Back Bias assisted Bandto Band tunneling hot electron注入)がゲート酸化膜へのダメージを少なくして信頼性を高め、同時に高速の動作を実現する。また、NMOSと異なる動作原理が構造の微細化の限界を打破し、大容量化を可能としている。
 従来のフラッシュメモリで実現できないアプリケーションでの使用が期待される。一例を挙げるとコンピュータの高速化の為に、DRAMとNANDの3桁の読出しスピードギャップを埋めるための「ストレージクラスメモリ(SCM)」や「高性能SSD」への応用が期待されている。

図

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