新技術開発助成

第97回新技術開発-03

薄膜発熱体構造物の実用化開発

技 術 開 発
契 約 者
イシイ株式会社
代表取締役 石井 吉雄
所 在 地
宮城県仙台市
技   術
所 有 者
鳥居 彰夫
技   術
開 発 者
イシイ株式会社 ヒーストン事業部
技術主任 水落 秀人

技術開発内容

 本技術開発は、我が国における冬季、特に降雪地帯における鉄道のホームや橋梁の凍結防止、一般家屋の屋根の雪降ろしに伴う事故を防ぐために、自由に曲げて施工することができ、耐久性に優れた新しい融雪構造物を実現しようとするものである。本新技術開発では、こうした課題解決のために、面状かつ薄膜の発熱体を採用する。
 本新技術開発で適用する面状・薄膜発熱体は、CNT(カーボンナノチューブ)をコートしたポリエステル繊維を用いて織り上げた布に、電極ワイヤおよび導電性テープを独自に縫製することによって通電に耐える電極部を形成したものである。この面状・薄膜発熱体は、ホームの上面と側面にL字型に薄く施工でき、また橋梁上部にも曲面状に施工することが可能である。実際の施工にあたって必要となる、発熱体およびその電極部の保護のためのコーティング技術、織り方の選択による発熱容量の選択、発熱体セグメントの配置・配線技術、発熱量の最適制御技術など、一連の新技術を構築することで、新しい融雪構造物として実用化を図る。
 本新技術開発により、鉄道のホームのみならず、高速道路や橋梁などの公共機関における大型構築物、一般家屋の屋根の積雪対策へと広く適用できる自由度の高い融雪構造物の実現が可能となり、凍結や積雪に伴う事故の回避に貢献することが期待される。


図

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