新技術開発助成

第97回新技術開発-10

マルチコリメータ式ガンマカメラによる3次元放射能濃度検査ゲートモニターの開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 テクノエックス
代表取締役 谷口 一雄
所 在 地
大阪府大阪市
技 術
所 有 者
株式会社 テクノエックス
技 術
開 発 者
株式会社 テクノエックス 技術部開発グループ
グループリーダー 清水 裕行

技術開発内容

 原発事故で放射能汚染された地域の除染作業の結果、発生した汚染土等は、トラックによる中間貯蔵施設への運搬が計画されている。この施設搬入に際して、汚染土を詰めたフレコンバッグの放射能濃度を効率的に測定・可視化し、高濃度フレコンバッグを迅速に特定するとともに、住民の安心に寄与する判りやすい濃度表示が可能なトラックゲートモニターが求められている。
 申請者は、これまでに図1に示すマルチコリメータ式のガンマカメラを開発している。これは、各開口を通して入射する放射線(朱色の矢印)の強度をカメラ背面の各開口に対応したγ線検出CsI素子で計測するものである。本開発では、これを複数用いることで、上記のゲートモニターを実現する。具体的には、図2に示すように、このガンマカメラをトラック進行方向の両側に複数個配置し、入射方向の交点からその位置を、また、その強度からフレコンバッグの放射能濃度と土壌等による吸収量を求める。さらには、ガンマカメラの装置関数を用いて位置特定の精度を向上させる処理アルゴリズムを開発する。計測された放射能濃度は、2次元の可視光の画像に重ねて表示する。
 このゲートモニターが開発できれば、トラック一台あたり30秒以下で高濃度のフレコンバッグが特定でき、従来のシンチレーション式サーベイメータと同程度の時間でこれまで不可能であった位置特定が可能となる。これにより、汚染土等の搬入作業を大きく効率化することができ、震災復興を加速する公益性の高いものとなる。

図

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