フローサイトメーターは、細胞を流路中に送液し、数百万個程度の細胞を個々に光学的に分析し、目的細胞を解析・分取する医学・薬学・生命科学研究において必須の分析装置である。しかし現状の装置は、細胞を解析しようとする蛍光総量や細胞サイズといった限定的な情報しか取得できず、細胞形態による診断等は人間が顕微鏡観察で実施する必要があり非効率である。
コア技術のGMI法(Ghost Motion Imaging)は、高速高感度一画素素子で検出する2次元情報の撮影が可能なイメージング技術である。カラー化のために三色の信号(図1-b)を計測し高速機械学習により直接解析・判別し、目標細胞を誘電泳動法によって流体デバイス内で物理的に振り分けすることで、形態情報に基づいた高精度の細胞分取が高速で可能になる。
本開発により、大量の細胞を高速に形態情報に基づいて判別から分取までが可能となるフローサイトメーターを実用化する。今後、血液中の大量の細胞の中に僅かしか存在せず、従来装置では検出不可能であった異常な細胞などが分析、分取可能になり、病態の解明や病気の早期発見に繋がる可能性があるなど、医療の進歩に貢献するものと期待される。
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