助成テーマ完了認定企業紹介 006
第78回 平成18年度第2次助成テーマ
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開発技術の概要 |
近年急速に増加した、Winnyに代表されるファイル共有ソフトウェアを経由した機密情報の流出事故は、暴露ウイルス(Antinny)と呼ばれるウイルスへの感染が主な原因である。Winnyについては政府が記者会見で使用を止めるよう発言するまでの状況に至っており、この種の情報流出問題に対する有効な対応策の開発が強く求められている。また世論が「Winny=悪」とする風潮に傾いている現在では、Winny以外のP2Pソフトウェアを利用するユーザが急増しており、その代表格が「Share」と呼ばれるファイル共有ソフトウェアである。Shareは未だ一般にはそれほど認知されてはいないが、 Winnyと同様「暴露ウイルス」は存在する。Shareネットワーク経由で流出した情報が拡散する事故も実際に少なからず発生しており、使用者数の増加と共にその危険度は年々高まっている。 本技術は、Shareネットワークを監視、そこに流れている情報を収集・分析し、流出した情報漏えいファイルやその漏えい元を特定するものである。また、専用システムからShareネットワーク上に向け、拡散を防止したいファイル(漏えいファイル)のデータが記載されている「駆除キー」情報を大量に拡散することで、流出した機密情報ファイルの入手を極めて困難にし、拡散の防止をも実現する技術である。この技術は既存の「Winnyネットワーク調査・ファイル拡散防止システム」と同様の対策であるが、ShareはWinnyとはファイルのダウンロード方法が異なり、秘匿性を高めるための暗号化システムも異なる。本技術はこれらを解析するアルゴリズムを新たに開発する事により実現している。 Shareのキーバッファは10分前後であふれてしまう為、Shareネットワーク上の全ノードに対し10分以内に駆除キーを送信する必要がある。現状のシステムでは10分間に19万5千のキー情報を送る事が可能で、これは現在のShare全ノード数(17〜18万)をカバーしている。また、これまでの調査でShareネットワーク上にはWinnyと比較して「過去の情報」が長期間そのまま残ってしまっている事が分かっている。この問題についてはこれまでの調査による蓄積・経験を生かし、より精度の高い情報を収集・分析して実行している。 |
これからの計画 |
今後はサービス品質の維持・向上を図る為に、設備機材・性能の増強を検討する予定。 |
企業からのお願い |
ネットワークセキュリティを主軸に、インターネットを経由した不正アクセスの被害に対する対応策の提供だけでなく、予防策の提供にも力を入れており、情報漏洩対策・コンピュータフォレンジック・ネットワークフォレンジック・Winny等のファイル共有ソフトウェア対策など、様々なサービスを提供しています。他には真似の出来ない質の高いソリューションをご提供致しますので、是非一度ご相談下さい。 |
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