従来とは異なる、新しい3次元画像計測原理を開発し、この原理に基づいて、プリント基板のクリームはんだ印刷検査装置を開発しました。
新しい3次元画像計測原理は、対象物を色彩の異なる上方照明、側方照明(手前および反対側)により照明し、傾斜姿勢の1次元カラーセンサカメラで撮像して獲得したカラー画像を用いて、カラー照明された対象物画像の画素ごとのカラーバランスと、対象物の表面角度との対応性から、対象物の表面角度を計測して、その面積、高さ、体積を算出する原理です。
この原理(カラードメイン法)をプリント基板に印刷されたクリームはんだの形状検査に適用しました。
従来から、レーザビーム照射法や光切断法に基づいたクリームはんだの3D検査機がありましたが、これらの検査機に比べてカラードメイン法はつぎのような長所があります。
1. |
微小クリームはんだにも適用できること
これまでの3D検査機は、照射する光パタンの太さが分解能の限界でしたが、カラードメイン法は物体を着色した色彩の比率を用いるため、原理上分解能の限界がありません。
したがって、これからどんどん小型化する携帯電話用など、将来のクリームはんだ自動検査にも適用することができる方法です。 |
2. |
絶対高さではなく表面角度を検出すること
これまでの検査機の計測原理はすべて、物体の絶対的な高さを検出する方法であるため、例えば携帯電話のプリント基板のように、軟らかくて薄く、平面度の良くない基板上のクリームはんだを計測するには、計測の場所ごとに基板のうねりを一々補正しないと、はんだの計測ができませんでした。
カラードメイン法はこれに対して、物体の表面角度から高さを算出するので、はんだが乗っている基板の高さにまったく影響を受けない原理です。このために、煩雑な高さ校正の計算が不要になり、安定した結果が得られます。 |
3. |
コストの低減
カラードメイン法は以上のように、絶対値計測に基づかない方法であるため、これまでの検査機のような神経質な機構の調整や細かい都度補正が必要ないため、製作コストの低減が可能です。
世界不況を越えて格段に低価格化する電子機器の生産設備として、格段に低価格な検査装置が求められる時代に、カラードメイン方式検査装置は最適と期待されています。 |
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