本技術開発では、パルスレーザーを被検査体上で非接触高速走査し、各レーザー照射点から発生する超音波を検出・画像処理することにより超音波が伝わる様子を動画映像として可視化する装置を開発しました。
原子力発電施設、航空機、化学プラントなどの構造物では、それらを構成している配管などの高経年化部材を迅速・簡単に非破壊検査できる手法の開発が強く求められています。パルスエコー法に代表される従来の超音波探傷法は、信号波形の中に隠された欠陥エコーを検出評価するのに高度の専門性を要求されますが、本開発技術は超音波伝搬の可視化により、欠陥からの反射波を容易に識別することができますので、検査を専門としない人にも分かりやすい探傷法を提供することができます。また、非接触走査なので、広範囲を迅速に検査でき、かつ、曲面部や段差部、狭あい部などの複雑形状部も容易に検査できます。
工業プラントや社会インフラなど老朽化した構造物における欠陥の早期発見は、重大な事故を未然に防ぎ、安全安心な社会を実現する上で、重要な課題となっています。本技術は、こうした課題に対して1つのソリューションを与えるものです。図1、2、3、4、5はそれぞれ装置原理図、試作機写真、内面傷を有するアルミ管試験片、その最大振幅図および可視化映像です。
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