新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 012

第83回 平成21年度第1次助成テーマ

完了認定 平成22年11月
代表取締役社長 貴 田 昭 一
代表取締役社長
貴 田 昭 一
企業名 株式会社ユネクス
会社概要 設立 :2003年11月
資本金 :5億6976万円
従業員 :21人
事業内容 医療機器開発・製造・販売
助成テーマ名 非侵襲的血液粘度・血管弾性計測を含む血管機能検査装置の実用化

開発技術の概要

 "人は血管と共に老いる"とは有名なオスラー博士の言葉ですが、この血管老化を加速するのが生活習慣病です。この血管の老化こそ、動脈硬化に他なりませんが、この血管壁の構造上の変化に先立って、血管の機能障害が先行すると言われており、最近のトピックス伴っています。脳梗塞や心筋梗塞、腎透析などハンディキャップに陥る前に、有効な予防策を立案することが、国民の健康維持をはかる上で重要であると考えています。

 ユネクスではこの血管の機能障害を評価する方法として開発されたFMD(血流依存血管拡張反応)検査法に特化した超音波画像診断装置を開発し、世界に先駆け商品化を行いました。血管の内腔部分で血流にさらされている内皮細胞は、血流の状態を感知し、循環器系に伝達する物質(NO:一酸化窒素)を出します。NOが正常に出ていれば血管が健康な状態ですが、機能障害を受けるとNOがでにくくなります。FMD検査法では、計測部位の血流量を人為的に変化させ、内皮細胞に刺激となるずり応力を増やすことで、NOの産生をうながし、その産生に応じて弛緩する血管の、径の変化量を計測することで評価を行います。

 今回の開発助成では、刺激となるずり応力をリアルタイムに計測する技術を組み込み、刺激量と反応量を比較する機能をもつ装置開発を行いました。また、血管の機能評価には血管壁の器質・形態の評価も必要であり、同装置では、血管弾性や血管壁厚も合わせて計測できる機能を有しています。こうした一連の計測が自動でできるように、画像認識などによる血管位置の確認を自動で行ないながら、正しい位置で計測が継続できるようになっており、より容易に血管の機能検査ができるように工夫されています。

図1、図2
図3

これからの計画

 心血管疾患での死亡数は治療技術の進歩により抑制されていますが、反面、予後のリハビリや介護の費用に大きな負担がでます。本装置にはまだ医療機関での使用を前提にした仕様部分があるが、予防医療での活用などで、より多くの場所で利用できる装置とすべく、改良を加えていくとともに、本装置による臨床データの収集と予防効果のエビデンス作りを継続しておこなっていきます。

企業からのお願い

 エビデンスのためのデータ収集を通じ、健康な高齢者の方々の血管機能は若い方々にひけをとらないくらい良いという結果が出ています。意識して食事や運動に気をつけていることで血管の老化が防げます。特に酸化ストレスが血管機能を低下させることも分かっております。FMD検査装置や本装置が血管の健康を知る手段であることを広く一般に認知してもらい、健康管理指標として活用され、高齢化なるも健康長寿となる社会の実現への一助となることを願っております。

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