新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 020

第86回 平成22年度第2次助成テーマ

完了認定 平成24年3月
代表取締役 門 谷  誠
代表取締役
吉 田 昌 治
企業名 セルコ株式会社
会社概要 設立 :1983年8月
資本金 :6,000万円
従業員 :40名
事業内容 監視用カメラ関連機器、エレクトロニクス応用機器の製造販売
警備用センサー、自動ドア用センサーの開発、製造販売
助成テーマ名 介護用の位置検出/静止検知/移動検出の為の回転型センサー

開発技術の概要

弊社は30年に渡りセキュリティー市場に向けたセンサーと映像機器の開発、製造、販売を行ってきたメーカーでございます。今回、財団の助成を頂きながら開発に取り組みましたセンサーは、急速に進む高齢化社会と、エコ社会への大きな動きにお役立ち出来るセンサーを世に送り出すためのものです。
センサーと言いましても様々なセンサーが市場には溢れておりますが、今回私共が着目したのはセキュリティー業界では非常にオーソドックスなパッシブセンサーです。このセンサーに使用される焦電素子は10μmを中心とした遠赤外波長を受け、その電磁波エネルギーの変化量に応じた電気信号を出力できる特性を有し、古くから様々な光学系と組み合わせ広範囲な人の動きを捉える素子として定着致しました。しかし、残念なことに30年以上に渡りこの素子を応用したセンサーの基本性能は変ることなく現在に至っております。今までのパッシブセンサーはセンサー同士の干渉が無く、低消費電流で動くなどのメリットがある反面、静止した人や、移動する方向などによってセンサーの検知性能が左右され、悪くすれば検知出来ないなどの欠点を持っております。この欠点は、侵入して来た人間だけを単に検出するというセキュリティー市場では大きな問題となりませんが、介護施設や、オフィスなど人の動きがゆっくり、または静止している環境で、人の存在を把握する用途としては満足のゆくものではありませんでした。
そこで、私共は従来とは発想を変えた特殊な光学機構と、焦電素子を組合せ、半径12m、視野角90度の範囲に居る人(温度差1.5℃以上)を、移動、静止に関わらず、水平方向2度の分解能、センサーからの距離を5段階に識別出来るスキャニング方式を研究して参りました。そして、スキャニングによって生ずるノイズ成分を抑制し、室内の放射エネルギー量を忠実にサンプリングできる光学機構と、それに対応したソフトウェアーを組合せることによって、人の位置や移動情報を安定的に把握するセンサーを実現させることが出来ました。このセンサーによりまして、例えば人の位置情報によるオフィスの照明、空調設備の肌理細やかな制御など人に優しい環境作りにご利用頂く、また、ご高齢者の具合が悪くなられ動けなくなるなど、介護施設などでの見守り用として、プライバシーを守りながら安全、安心、快適な環境作りのお手伝いが出来る可能性を秘めたセンサーです。
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これからの計画

現在は技術試作段階であり、室内環境の放射エネルギーデーターに重複する人の放射エネルギーの抽出精度を向上させ、より安定した機能と品質を目指しております。また、室内環境に於いて5年以上の連続使用に耐えうる信頼性を目指し年内にはリリースを予定しております。

企業からのお願い

私共はセキュリティー機器を軸に安心・安全な社会の実現に向け、様々な商品開発にチャレンジし続ける会社でございます。セキュリティー機器などにご興味のある方は是非私共にお気軽にご相談ください。様々なご提案と機器のご紹介でお役立ち出来ると確信しております。

問い合わせ先 E-Mail:info@selco.ne.jp
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