助成テーマ完了認定企業紹介 026
第88回 平成23年度第2次助成テーマ
|
開発技術の概要 |
燃料電池の普及は、化石燃料の節約、CO2排出量の削減、再生可能エネルギーであるバイオガスの活用促進等に大きく貢献します。その中でも、最も発電効率が高く、多様な燃料を効果的に活用できる固体酸化物型燃料電池(SOFC)が注目されています。しかし、主に次の3つの理由により、まだ本格的な普及に至っていません。 (1)高コストで経済的メリットがない 図1: 次世代SOFCスタックPrinted Fuel Cell®の構造 当社は、印刷技術を活用して、セラミックスからなるセパレータ層を含め、燃料電池の各層(燃料極、電解質、空気極)を積層し、スタックとして一体焼結する次世代SOFCスタックPrinted Fuel Cell®を開発しました。(図1) その結果、スタックの厚さは既存技術と比較して1/3〜1/10程度となりました。シンプルな構造で製造工程も少なく、必要部品点数、及び必要材料量が少ないため、製造コストを大きく削減することが可能です。 スタックが非常に薄いため、当初はガス供給に課題がありました。しかしながら、助成事業を通じて適切なガス流路を導入することに成功し、必要なガス量を得た上でガス透過性を改善させることによって、出力密度を大きく向上させることができました。 |
これからの計画 |
本技術開発を推し進めることにより、低コスト・高体積密度のSOFCスタックを、燃料電池システム製造企業へ提供できるようになります。具体的なアプリケーションとしては、携帯・非常用ポータブル電源、次世代家庭用燃料電池、大型トラック用補助電源、商業用分散電源などを想定しています。 早期にPrinted Fuel Cell®を実用化することを目指して、出力密度の更なる向上、実用化サイズのスタック開発に取り組んで参ります。 |
企業からのお願い |
環境エネルギー分野において、先進国及び新興国の国際競争が激化しています。その中で、当社は、日本発の次世代SOFC技術をグローバルに普及させ、エネルギー資源の効率的な活用に貢献できるよう活動しています。関係する企業の皆様から、ご支援ご指導頂けると幸いです。 |
|