新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 026

第88回 平成23年度第2次助成テーマ

完了認定 平成25年5月
代表取締役 日比野 智 彦
代表取締役
日比野 智 彦
企業名 FCO Power株式会社
会社概要 資本金 :1億円
従業員 :9名
事業内容 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発・製造・販売
助成テーマ名 次世代SOFCスタックPrinted Fuel Cell®の開発
(その中でも特にガス透過性の向上)

開発技術の概要

燃料電池の普及は、化石燃料の節約、CO2排出量の削減、再生可能エネルギーであるバイオガスの活用促進等に大きく貢献します。その中でも、最も発電効率が高く、多様な燃料を効果的に活用できる固体酸化物型燃料電池(SOFC)が注目されています。しかし、主に次の3つの理由により、まだ本格的な普及に至っていません。

(1)高コストで経済的メリットがない
(2)耐久性が十分証明されていない
(3)体積あたりの出力密度が低く、システム全体が大型化してしまう。

図
図1: 次世代SOFCスタックPrinted Fuel Cell®の構造

当社は、印刷技術を活用して、セラミックスからなるセパレータ層を含め、燃料電池の各層(燃料極、電解質、空気極)を積層し、スタックとして一体焼結する次世代SOFCスタックPrinted Fuel Cell®を開発しました。(図1)

その結果、スタックの厚さは既存技術と比較して1/3〜1/10程度となりました。シンプルな構造で製造工程も少なく、必要部品点数、及び必要材料量が少ないため、製造コストを大きく削減することが可能です。

スタックが非常に薄いため、当初はガス供給に課題がありました。しかしながら、助成事業を通じて適切なガス流路を導入することに成功し、必要なガス量を得た上でガス透過性を改善させることによって、出力密度を大きく向上させることができました。


これからの計画

本技術開発を推し進めることにより、低コスト・高体積密度のSOFCスタックを、燃料電池システム製造企業へ提供できるようになります。具体的なアプリケーションとしては、携帯・非常用ポータブル電源、次世代家庭用燃料電池、大型トラック用補助電源、商業用分散電源などを想定しています。

早期にPrinted Fuel Cell®を実用化することを目指して、出力密度の更なる向上、実用化サイズのスタック開発に取り組んで参ります。


企業からのお願い

環境エネルギー分野において、先進国及び新興国の国際競争が激化しています。その中で、当社は、日本発の次世代SOFC技術をグローバルに普及させ、エネルギー資源の効率的な活用に貢献できるよう活動しています。関係する企業の皆様から、ご支援ご指導頂けると幸いです。

問い合わせ先 E-Mail:t_hibino@ecobyfco.com
TEL:050-3803-4735
FAX:052-731-7575
URL:http://www.smrj.go.jp/incubation/nalic/companylist/056672.html