助成テーマ完了認定企業紹介 031
第91回 平成25年度第1次助成テーマ
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開発技術の概要 |
ステレオグラムとは、目の焦点を意図的にずらして眺めることで、単なるパターンに見える模様からイラストなど全く別の絵が空間上に浮き上がってくる従来から世にある絵画手法のひとつ、いわゆるトリックアートである。視覚の調節によって突然立体像が出現する様は見る者に驚きと感動を与える。 これまで印刷物等平面にのみ描写されていたステレオグラムというトリックアートを、厚みのある金属に当社独自の技術で凹凸をつけ立体造形物化し、ステレオグラムを再現している。この発想とそれを実現した独自技術で特許(第5121082号)を取得している。はじめから3次元像が容易に見えるホログラムや印刷物の貼り付けとは異なり、切削によるステレオグラムの製造法は品物表面のテクスチャ自体にユニークな意匠的価値をもたせることのできる技術である。しかしその製造には多大な時間・コストがかかり、ステレオグラム立体造形を商品へ適用し普及させるには障害があった。 そこで、切削加工されたステレオグラムを金型として用い、転写によってそれを安価に無限複製する技術が確立されれば、さまざまな分野に凹凸ステレオグラムを提供することができる。本助成では平面プレート形状ではなく、円柱状(ロール形状)の曲面にステレオグラムを切削造形し、厚みのある紙や皮革などへ型押し加工をするエンボス加工としての技術を試作開発した。 本特許技術では、金属に限らずあらゆる部材平面上に凹凸をつけステレオグラムとして見せることができ、建築壁面・内装・食器・オブジェ・テーマパーク・エンボス加工産業等に展開することが可能です。そのほかさまざまな意匠製品や、また皮革製品などの偽造防止マークなどへの応用も検討している。 |
これからの計画 |
・「ナンゴー彫り」という商標で商標登録済みで、現在この「ナンゴー彫り」をWEBにて販売するためのインターネットサイトを構築中。2015年3月アップ予定。 ・企画、建築関係、アミューズメント施設プロモーション企画等に営業を図っている。 |
企業からのお願い |
ステレオグラムを立体造形で表現する技法「ナンゴー彫り」は世界初の独自技術で、様々な分野へ展開することが可能です。ただのザラザラの部材表面から立体像が浮かび上がってくるという驚き、インパクトは見る人に強い印象を残します。また逆に、ある見方をしないと見えないという点を活かした展開(暗号化、各種アトラクション、偽造防止)にも利用可能です。これまで実商品化に向け様々な試作を行い、金型からの樹脂タイル量産化、真空注型シリコーン型による食品型、そして、本助成開発でのエンボス加工による無限転写などを開発実証済みです。 癒しグッズやアンチエイジング(視力回復等)の市場への貢献の可能性も考えられますので、鋭意検討中です。新商品化に向け、ご要望や共同商品化等のご相談をいただけますと幸いです。 また、科学技術館や博物館等にてナンゴー彫りを実物展示していただくことで、今までめぐり合えなかったニーズとのマッチングも期待しており、展示等につきましても是非ご相談いただけますと幸いです。サンプル品をご希望のかたもお気軽にお申し付けください。 |
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