「折紙工法可変断面ハニカムコアパネル」は、折り曲げて製作するハニカムコアが特徴で、列毎にスリットと折り曲げの位置を変えることで、翼断面等の可変断面パネルや曲面パネル、コアを斜めにしたパネル等の製作が可能となる。
最軽量で高剛性のパネルとして認識されているハニカムコアパネルだが、従来工法では均一断面の平板しか造れず、製作に大規模な生産設備が必要で高価なものであった。本工法では後加工なしで可変断面コアが実現出来、製作に必要なツールもシンプルで従来工法より廉価で製作出来る。また、加工設備の自由度も大きく、1枚のパネルから種々のコアをオンデマンドで製作出来るため展開領域が飛躍的に拡大できる。
本技術の概念は、東京大学で「折紙工学」から発想され、現実的な工法として確立するための共同開発に取り組み、JSTのA-Step補助金と市村清新技術財団の助成を受けて量産工法として確立した。具体的には製造工程を、(1)展開図作成、(2)スリット切断、(3)波型成形、(4)折り曲げ&カシメ、(5)面板貼り付けの5工程とし、それぞれの工程を機械化し、これらをつなぐことで量産ラインが成立する技術的な目処を立てることが出来た。
製造工程概念図
製造技術の開発と併せて実用化開発にも取り組み、その特性を活かした建築用パネルや風力発電機用ブレード等を試作して実用化し、事業化につなげる開発を行っている。建築用パネルはETFEフィルムとの組み合わせによるパネルを、太陽工業(株)との共同開発でビルのファサードやパーティションパネル等に展開し、ガラスを面板にしたパネルをビルの外装や窓ガラスの代替に提案している。また、風力発電機用ブレードは東京大学生産技術研究所と共同で直線翼垂直軸型の小型発電機の開発に取り組んでおり、東大柏キャンパスで実験機に取り付けて性能データを取得している。
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折り曲げ&カシメ装置 |
折り曲げ後のコア |
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建築用フラットパネル |
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風力発電試験機(東大柏キャンパス) |
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コアエッジへの接着剤塗布 |
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レンズ断面建築パネル |
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風力発電用ローターブレード |
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