助成テーマ完了認定企業紹介 046
第100回 平成29年度第2次助成テーマ
|
開発技術の概要 |
|
次世代光集積技術の本命であるシリコンフォトニクスは、LSIの微細電気配線技術と光通信技術を融合させることにより高速・大容量・高機能の光電気複合LSIを実現する技術です。 シリコンフォトニクス素子では、情報の送受信は光情報伝送技術により実現されます。シリコンフォトニクス光導波路は、光情報伝送のための光信号の通り道となるキーテクノロジであり、光損失等の光学特性はシリコンフォトニクス素子の性能を決定づける重要な要件です。数ミクロンからサブミクロン角という極微細構造を有するシリコンフォトニクス光導波路では、外部素子との接続方法が実用化においての大きな課題となっています。現在、シリコンフォトニクス光導波路の構造として、シリコンプロセスにより光導波路を形成したウェハをダイシングし、端面から光入出射を行う端面入出射方式と、ウェハ表面にグレーティング素子を形成し、ウェハ表面から光入出射を行う表面入出射方式の2つの方式の研究開発が行われています。 表面入出射方式の場合、光入出射端がウエハ表面に位置するため、ウエハ状態での検査が可能でです。しかしながら数ミクロンの入出射端が数mmの狭域に近接するデバイスの構造上、光ファイバ調芯検査方式では、物理的かつ方式的に検査対応が困難です。また、ファイバ調芯方式はシリコンフォトニクス光導波路1チャンネルの損失測定を行うのに10分〜20分という長いスループットを要し、量産検査には使えないため、量産検査への対応と拡張性を有する測定検査技術は未だ確立されていません。本開発技術は、光学計測方式を用いた表面入出射型光導波路の新たな損失検査手法です。 入出射計測用光ファイバが接続された単一光学系により、入射用光ファイバからの測定光をシリコンフォトニクス光導波路入射コアへ光学的に結像・入射し同時に、シリコンフォトニクス光導波路から出射した光を受光計測用光ファイバへ光学的に導入する同軸測定光入出射計測光学系を設計・試作しました。さらに、光学系には同軸上から光導波路コアを観察可能なカメラを設置しました。本構造をとる事により、シリコンフォトニクス光導波路のコア位置及び光ファイバからの測定光照射位置、出射位置のすべてを観察カメラにより同一画面上にて画像観察処理可能となりました。コア位置計測画像処理機能との併用により、画像からシリコンフォトニクス光導波路のコア位置を計測、計測位置のフィードバックを行うことで光ファイバの位置を精密に制御し、シリコンフォトニクス光導波路入出射コアと光ファイバ間の調芯を高速に行う事が出来ます。 |
これからの計画 |
入出射部の電動化による、スループットの向上をはかります。 また、事業化を進めるべく、周辺機器の開発を行っていきます。 |
企業からのお願い |
本装置は、サンプルの構造により、構成が大きく変わります。 お打ち合わせをさせて頂き、装置の構成等ご提案をさせて頂きます。 また、実サンプルの測定等のデモンストレーションも可能です。 まずは、お気軽に御連絡下さい。 |
|