新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 050

第101回 令和/平成 30年度 第1次

完了認定 2019年10月
代表取締役社長 浅 井 直 也
代表取締役社長
浅 井 直 也
企業名 高砂電気工業株式会社
会社概要 資本金 :9000万円
従業員 :261名
事業内容 ソレノイドバルブ(電磁弁)およびポンプを中心とする流体制御機器等の設計・製造・販売
助成テーマ名 ウエアラブル輸液ポンプ用に用いられる超小型ポンプの実用化に関する技術開発

開発技術の概要

現在、糖尿病患者用ウエアラブル輸液ポンプ(インスリンポンプ)は高価なため普及が進まず、大多数の患者は、インスリンを一日に数回、自己注射しています。間欠的な投与のため、安定的な血糖管理が困難な状況です。本技術開発は、この課題の解決を目指し、安価で携帯性に優れ、またディスポーザブル部の交換も容易な超小型ポンプを実現しました。

送液部分は、輸液チューブ自体を押しつぶしながらローラーが回転する平面型蠕動ポンプの機構で、低価格化を可能にするとともに、ディスポ部の交換を容易にしています。経済性と操作性の両面で、インスリンポンプの普及を後押しします。そして極微量の薬液を連続的に送液できるポンプを常時装着することで、体内の分泌により近い安定的・持続的な投与が可能になり、治療効果も向上が期待されます。

DCモータータイプとステッピングモータータイプの2種類を開発しました。前者はより低価格であるとともに低消費電力で、駆動用バッテリーの軽量化、ひいては携帯性に優れます。後者は、流量のダイナミックレンジが広く、かつ、特に低流量域で精度に優れ、例えば鎮痛、疼痛管理、栄養管理など、インスリン以外のドラッグデリバリーにも適します。

この超小型ポンプにより、インスリンポンプの低価格化と操作性の向上を図ることで、結果としてより多くの糖尿病患者のQOL改善に貢献できるものと考えます。そしてその貢献は日本に留まらず、これから爆発的な増加が懸念される海外諸国での糖尿病患者の治療にも及び、SDGsのひとつ「すべての人に健康と福祉を」の達成にも役立つものと考えます。

図
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これからの計画

ウェブでの情報発信や海外を含む展示会への出展を通じて、マーケティングを推進し、医療機器メーカー様での採用を目指します。
技術面では、輸液量精度と安全性の向上のため、流量センサーを内蔵したタイプの開発も進めています。

企業からのお願い

本開発品である超小型ポンプは、医療デバイスの部品のひとつに過ぎず、ウエアラブル輸液ポンプと言う形で人々の健康増進と医療経済に実際に貢献するためには、医療機器の製造と販売に知見を有する企業様とのパートナーシップが不可欠です。そのような企業様とのパートナリングにつき、情報提供などのご支援を皆様にお願いいたします。


問い合わせ先 E-Mail:n-matsumoto@takasago-elec.co.jp
TEL:052-891-2301(代表)
FAX:052-891-7386
URL: https://takasago-elec.co.jp/