助成テーマ完了認定企業紹介 051
第100回 平成29年度 第2次
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開発技術の概要 |
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10nsec以下の超高速で連続撮影できるマルチフレーミングカメラは、ビームスプリットミラーで12のエリアに分割し、MCP(Micro Channel Plate)にて高速にゲーティングしながら光を電子増倍してイメージセンサに入射し撮影する方式のものがあり5nsec撮影速度を実現している。これは入射光を分割する光学系により装置が大型きくなり、MCPを使うことで空間解像度が落ちるなどの欠点もあり使用できる分野が限られている。 我々が開発した超高速高感度カメラは、光を分割することなく一枚のイメージセンサにより10nsecで10枚の連続撮影が可能である。このイメージセンサはJST(科学技術振興機構)のA-STEPの支援により完成していたが製品化には感度が不足していた。超高速現象の撮影では露光時間が非常に少なくなることから高感度化は必須条件であった。 そこで高感度を実現するためにイメージセンサのパッケージ内にペルチェ素子を内蔵した小型の封止容器を開発し、外気マイナス30℃を空冷のみで実現し、約100倍の高感度化に成功した。既存製品と比較し、劇的な小型化(W160xH160xD330)と超高速(10nsec)、高感度(ISO12,800)、高解像度(約1000x1000画素)の実現を果たした。 本超高速カメラは、エンジンの点火材料研究、プラズマ放電現象の解析で既に実績を上げつつあり、爆発現象、衝撃波現象レーザーアブレーション、高速振動解析などの領域で使用を予定している。ユーザからはこのクラスの性能でここまで小型だと従来あきらめていた観察も可能になるとの評価も得ている。 |
これからの計画 |
カメラの電子回路の低ノイズ化を徹底してさらなる感度向上をはかる。 空冷のみだと外気温により最低冷却温度が上下するので、水冷により安定的な冷却とさらなる感度向上を図る。(冷却温度差は変わらないが熱交換用のヒートシンク部に冷却水を通す機構を用いることで、さらに安定的に低温まで冷やせる。) ファンレス筐体の開発。撮影場所の雰囲気が機械系だと油の噴霧があるので通風穴を無しにする。 次世代の1nsecクラスのイメージセンサを開発する。 |
企業からのお願い |
超高速カメラとしてだけではなく、10nsec時間分解能を活かしたTOF解析を利用した測定システムへのセンサとしての応用も可能です。様々なご要望をお待ちしております。
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