新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 054

第103回 令和元年度 第1次

完了認定 2022年3月
代表取締役 中 尾 拓 司
代表取締役
中 尾 拓 司
企業名 株式会社 ホーシン
会社概要 資本金 :5000万円
従業員 :84名
事業内容 土木建築仮設機材、環境関連商品の企画・開発・製造・レンタル
レーザー、測量機器の販売・修理・レンタル
助成テーマ名 アンダーピニング工法向けメカ式電動ジャッキの技術開発

開発技術の概要

近年、都市部再開発のおいては既存構造物(地下鉄駅躯体構造物や高層建築物等)の更に深部に異なる構造物(別の地下鉄路線や地下駅、地下高速道路等)を構築することを余儀なくされており、その際既存構造物の沈下や陥没、隆起に留意した工法による施工が必須とされている。また、地盤を掘削する際に廻りの地盤が崩れないように、また建物が倒れないようにする山留の構造物において、近年地盤に予め予圧を与えておく「プレロード工法」が主力となっている。更に、大規模地震や大規模風水害が多発している昨今、小規模建築物(住宅、アパート、小規模ビル等)の地盤沈下修正工事の必要性が増大している。

これらの土木工事においては、そのほとんどに油圧式ジャッキが使用されているが、下記の油圧方式のジャッキの弱点を補い、より緻密で安全正確な施工を目的として遊星歯車式減速機と推力発生ネジを組合わせ、高推力と高耐力を持った今回の【メカ式電動ジャッキ】の開発を行なった。

油圧方式ジャッキの弱点
(1) 大がかりな油圧発生装置と制御装置が必要で、油圧発生の為の連続稼動が必要となる。
(2) 高圧油圧ホースをジャッキごとに配管接続する必要がある。
(3) 油漏れ等のトラブルの危険性もあるため、メカ式のフェイルセーフ機構が必要となる上緻密な制御を油圧で行うことが難しい。

今回開発した【メカ式電動ジャッキ】の主仕様及び用途
(1) 大型メカ式電動ジャッキ ; 電動式 発生推力1000kN 耐力2000kN
 ※アンダーピニング工法及びプレロード工法に使用できる電動ジャッキ
(2) 大型メカ式手動式ジャッキ ; 手動回転入力式 発生推力1000kN 耐力2000kN
 ※プレロード工法等に使用する手動回転入力式のジャッキ
(3) 小型メカ式電動ジャッキ ; 電動式 発生推力300kN 耐力600kN
 ※地盤沈下家屋基礎ジャッキアップ等に複数台制御にて使用できる電動ジャッキ
(4) 小型メカ式手動式ジャッキ ; 手動回転入力式 発生推力300kN 耐力600kN
 ※多目的に使用できる手動回転入力式ジャッキ
上記(1),(3)のタイプのジャッキは電動モーターと伸長収縮実ストローク測定機能および負荷荷重測定機能を内蔵しており複数台同時制御可能なシステム構成としている。

大型メカ式手動式ジャッキ
 
大型メカ式電動ジャッキ
大型メカ式手動式ジャッキ
 
大型メカ式電動ジャッキ

小型メカ式手動式ジャッキ
 
小型メカ式電動ジャッキ
小型メカ式手動式ジャッキ
 
小型メカ式電動ジャッキ

これからの計画

今回の助成金による開発でメカ式ジャッキの機械的な機構と構成はほぼ確立できたので、今後は大手ゼネコン等の協力を得て実運用に際しての問題点の抽出と改良を繰り返すと同時に複数台同時制御のアルゴリズムの確立、制御システムの最適化の構築を行う。
当初想定していた以上に応用可能な用途が広がりつつあることから、対象となる施工に最適な機能、性能及び運用制御システムはどのような仕様かを追求し、汎用性、利便性、応用性の高い商品へと進化させていく予定である。

企業からのお願い

ジャッキという使用用途が限定されない汎用性の高い商品であるため、弊社では思いつかない用途への応用の可能性もあると思われる。業種に関係なく、当商品使用の可能性に関するお問い合わせやご相談をお寄せいただき、様々なご要望に対応していきたいと考えている。また、弊社は土木建築仮設機材のメーカーとして、様々なタイプのジャッキやその他の機材も保有しており、幅広い対応が可能である。


問い合わせ先 E-Mail:nagaoka@hoshin.co.jp
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