助成テーマ完了認定企業紹介 059
第108回 令和4年度 第2次
|
開発技術の概要 |
|||||
2000年に藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製薬)の研究者が遺伝子導入装置の開発中、大気圧プラズマを細胞へ照射することにより遺伝子が細胞に導入されるという全く新しい技術を発見しました。当社は2016年に愛媛大学発ベンチャー企業として設立され、本技術の更なる研究開発を愛媛大学の神野教授のグループと進め、①大気圧プラズマによる分子導入(遺伝子導入)のメカニズムがエンドサイトーシスで起こっていることを解明し、これまでにない安全な分子導入技術であることを証明、②より効率的な分子導入が得られる大気圧プラズマの改良研究を重ねマイクロプラズマ法を開発し実用化、③アプリケーションとして、マウスを用いた1型糖尿病の細胞治療研究、安全なiPS細胞の樹立法の確立、などの先端医療の実用化を進め、④その他の農林水産業、医薬品産業、など広い分野での実用化、などを目指した研究開発を進めてきております。 2023年には技術の集大成として、細胞やゲノムに障害を与えることなく高効率で細胞本来のゲノム汚染のない形質転換細胞が容易に樹立できる研究用遺伝子導入装置の試作を完了し、2024年には国内での研究用装置の販売を開始する予定です。
|
これからの計画 |
今回の新技術開発助成により、医療用途に向けた研究用プラズマ分子導入装置の試作を完了し、現在、本試作機をベースに市販に向けた装置の開発〜製造を装置会社と進めております。2024年には国内での研究用装置の市販を開始する予定で、また、2025年には米国での市販を可能にすべく、米国での新会社立ち上げと米国での装置の製造販売を目指しております。 |
企業からのお願い |
当社のマイクロプラズマを用いた細胞や組織への分子導入技術は、従来の分子導入技術とは一線を画す、全く新しい、『細胞や染色体遺伝子に障害を与えず』に遺伝子をはじめとする生体高分子から高分子医薬品までを生体内や細胞内に導入できる技術です。今後、遺伝子治療や再生医療などの先端医療や農林水産業で本マイクロプラズマ導入技術を用いて安全に進めることが可能になることにより、全く新しい市場が生まれることになります。 当技術に興味をお持ちの企業、研究機関、個人の方々は是非私どもの今後の研究開発〜各種分野での事業化にご支援賜りますようお願い申し上げます。 |
|