新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 069

第111回 令和5年度 第1次

完了認定 令和6年9月
代表取締役 板津 雅春
代表取締役
板津 雅春
企業名 CYC株式会社
会社概要 資本金 :14,750,000円
従業員 :10名
事業内容 ①熱分解装置の製造販売(築炉事業)
②当社の熱分解装置を用いたリサイクルの受託(委託事業)
助成テーマ名 資源回収型リチウムイオン電池リサイクル装置の実用化開発

開発技術の概要

当社のコア技術である熱分解装置(図1)は、次のような特徴をもつユニークな装置である。
被処理物を無酸素下で熱分解して発生する乾留ガスを加熱用の燃料として利用するので省エネルギーでランニングコストが低い
無酸素熱分解であるのでリチウムイオン電池に使用されているコバルトのような高価なレアメタルを酸化させずに回収できる
有機物中の炭素は炭として固定されるので地球温暖化防止に有効
バッチ式であるので、物理的に機械的に分解しにくい複合体や大型構築物を破砕や分解せずに、そのまま丸ごと処理できる
写真

しかしながら、リチウムイオン電池には電解質にフッ素化合物やイオウ化合物が含まれることが多く、熱分解ガスのフッ素、イオウ、SOx、NOx、煤塵等の大気汚染物質を除去する必要がある。
そこで、当社の熱分解装置でリチウムイオン電池を熱分解した場合に発生する排ガス中の大気汚染物質の除去装置を開発した(図2)。
写真

この装置は、熱分解装置の排ガス中のフッ素、イオウ、SOx、NOxを、乾式吸着材を充填した吸着装置により化学的に吸着除去後、粗大煤塵を取り除き、その後に微細煤塵を除去するものである。この排ガス処理装置の主な特徴は、つぎのとおりである。
大気汚染物質の除去性能に優れ、大気汚染防止法や自治体の上乗せ基準を含む環境規制を満足できる
メンテナンスが容易
吸着剤やその関連コストが安価、処理困難な廃材の発生がない

これからの計画

海外展開
リチウムイオン電池以外の多種多様な廃棄物のリサイクルへの応用展開
高機能化や省エネのための軽量化などの社会的ニーズに対応して、金属と樹脂などの異種材料を複合した物理的方法では分解や分別が困難な先端的高性能機材が増えつつあり、分解・分別・破砕等の前処理が不要な当社の排ガス処理付きバッチ式無酸素熱分解装置のニーズはますます高まっている。
輸入に頼る希少有価金属の国内循環システムの構築(いわゆる“都市鉱山”拠点の形成)

企業からのお願い

当社の熱分解装置の各種処理困難廃材のリサイクルへの応用範囲は広い。
当社はその保有する熱分解技術を活用して、限りある貴重な資源を有効に循環利用し、地球環境保全と持続ある経済成長に貢献できることを願っている。



問い合わせ先 E-Mail:cyc@isis.ocn.ne.jp
TEL:0574-48-8412
FAX:0574-48-8413
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