新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 070

第110回 令和4年度 第2次

完了認定 令和6年10月
代表取締役 中村 猛
代表取締役
中村 猛
企業名 株式会社 Raise the Flag.
会社概要 資本金 :111,995,000円
従業員 :4名
事業内容 視覚障害に特化した製品・サービスの開発・製造・販売
助成テーマ名 視覚障がい者用デバイス開発

開発技術の概要

「視線先対象物までの距離を振動及び音響にてフィードバックさせることにより、視力を使わずに周囲の環境を『正確に』『感覚的に』認識できる検出・通知システムを開発するため、環境を検出するための頭部に着用するデバイスに使用する“グラスメイン基板”“ステレオカメラモジュール”、検出した信号を処理する“本体基板”の試作設計・開発を行った。

ステレオカメラモジュール開発に対しては、水平画角120°以上の視差画像を撮像する機能、水平画角120°以上のカラー画像を撮影する機能、近赤外線ドットパターンプロジェクタを備えるための回路設計、基板AW、FW開発、製造を行った。

グラスメイン基板開発に対しては、ステレオカメラモジュールと接続し、本体間とUSBにて画像データの送受信処理を行う機能を備えるための回路設計、基板AW、FW開発、製造を行った。

本体基板開発に対しては、Nvidia社製”JetsonシリーズSOM”を動作させる事が可能な専用キャリーボードを備える、着脱可能なバッテリースロットを備える、グラス部分と接続可能なUSBポートを1個備える、ステレオカメラモジュールで撮影した画像を元に距離画像の算出を行う機能を備える、電源及び機能切り替えボタンを備えるための回路設計、基板AW、FW開発、製造を行った。

結果、各3機能全ての回路設計、基板AW、FW開発、製造を完了させ、動作確認・評価を行い、全てにおいて目論見通りの成果を得ることができた。

写真

これからの計画

今回、本助成をいただき完成させることができた各基板の小型化を進めます。
加えて、低消費電力と広角での周囲環境検出を達成するための極低歪レンズの開発、「正確に」「感覚的に」認識するための通知方法(音響・振動)を確立します。
また、並行して開発している「視覚障害に特化した生成AI」と本カメラシステムからの距離情報を組み合わせるコトにより、「視るよりも よくわかる」機能開発を達成させます。

企業からのお願い

現在、ほとんど視覚に頼れない方々が単独で行動できるための十分なソリューションが存在していないのが現状です。そこで弊社は就労を含む様々な挑戦を支援するソリューション(デバイス)を開発し、視力を使わずに周囲の環境や興味のある対象の形や大きさを把握できるようになることで、単独行動はもとより、障害を乗り越えて様々なことに挑戦できる新しい共存社会のモデルを日本から世界に発信します。

資金調達などの際、今まで何度も「視覚障がい者分野は母数が小さい」と言われました。
“その小さな母数が年間約10兆円ものコストを消費している。我々の事業を進めることで、社会に大きな利益が生まれる”と答えても投資者自身に大きな利益が生まれなければ…の回答ばかりでした。
その中で、御財団の「公益のための助成」は弊社の大きな力になりました。
私たちは、この度の助成で生みだしたものをしっかりと社会に実装いたします。
御財団には、今後とも私たちのような事業をサポートいただけますよう心からお願い申し上げます。ありがとうございました。



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