当社では、会社設立当初からの水硬性石灰の研究開発より、二酸化炭素(CO2)の供給によって成形物を高強度化する技術を培ってきました。開発を進める中、天然鉱物に見られる無機結晶を連続的に結合し石灰質素材を生成する現象を人工的にCO2による石灰系鉱物化させる独自技術に成功し、特許を取得するとともに商標名をCALXCERUM®と命名しました。
産業活動から放出されるCO2排出量は、世界的な技術発展を背景に増大を続けており、脱炭素社会の実現が急務となっています。排出削減が訴求される中、CALXCERUM®の原料採掘から製造に至るまでのCO2排出量を算定したところ、陶磁器タイルと比較して約70%の削減、食器など一般陶磁器に至っては89%の削減につながることがわかりました。
当社技術を製造過程に組み込むことで大幅なCO2削減が実現することから、ものづくり分野に持続可能な生産環境を提供する取り組みを進めており、現在、国内最大級のタイルメーカーと協業してプロジェクトを進めることになりました。
当取り組みにおいては、当社のCALXCERUM®の強度特性を活用し、既存のタイルを低炭素で代替しうる実用的な製造技術を目指し、タイルの焼成窯からのCO2を回収して石灰系鉱物の硬化に活用するシステムの実証につながりました。実証により、高い強度が求められる床タイルとして代替可能なCALXCERUM®タイルの提供が可能となります。
将来的にタイルメーカーから設計事務所、そして建物オーナーに至るまで、新たな脱炭素建材の提供を通し、社会還元につながることが期待されます。
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