植物研究助成 35-13
寄生植物の外来種対策と在来種保全に向けた宿主選好性の研究
| 代表研究者 | 東北大学大学院生命科学研究科 講師 横山 隆亮 |
【 背景 】 |
| 近年、日本各地の草地や河川敷において、外来寄生植物アメリカネナシカズラの爆発的な生息域拡大が確認されている。本種は在来の近縁種であるマメダオシやハマネナシカズラの生育地を侵食するだけでなく、日本固有植物を含む多様な植物に寄生し、地域の植物相や生態系構造に深刻な影響を及ぼしつつある。このため、外来寄生植物対策と在来種保全に向けた科学的基盤の構築が強く求められている。 |
【 目的 】 |
| 本研究は、日本国内でアメリカネナシカズラが繁栄する一方、近縁な在来種が衰退する遺伝的背景を明らかにすることを目的とする。在来種が宿主植物に偏りを示すのに対し、アメリカネナシカズラは多様な植物を宿主とする傾向があることから、宿主非選好性が高い繁殖力と生息域拡大を支えるとの仮説を立てた。本研究では、この仮説を検証し、両者の宿主選好性の差を規定する遺伝子群および発現制御の違いを解明する。 |
【 方法 】 |
| 外来種であるアメリカネナシカズラが在来種の生息域に侵入している地域で野外調査を実施し、両者の実際の宿主利用パターンや生育環境に関するデータを収集する。得られた野外データをもとに、実験室内で宿主の種類や環境条件を制御した再現実験を行い、外来種・在来種の宿主選好性を系統的に評価する。加えて、本実験サンプルを用いてトランスクリプトーム解析を行い、宿主選好性に関与する遺伝子群や、その発現制御機構の違いを明らかにする。 |
【 期待される成果 】 |
| 現在、日本では外来植物の侵入が深刻な脅威となっているが、寄生植物については、外来種と在来種の生態的競合に加え、宿主への強い依存と影響を伴うため、単なる種間競合とは異なる視点に基づく対策が求められる。特に、宿主となる植物を含めた包括的な保全戦略の構築が不可欠である。本研究により、在来種の衰退が宿主選好性に起因することが明らかになれば、宿主植物の保護・育成を軸とした、より実効性の高い保全対策の立案が可能となる。さらに、外来種アメリカネナシカズラにおける宿主非選好性の遺伝的背景を解明することで、駆除・管理に関する科学的根拠が強化され、迅速かつ効果的な対策の実現が期待される。 |














