地球環境研究助成04-04
グレージェント力を持つ電界カーテンによる太陽電池パネル受光面の 砂じん除去
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【 研究目的 】 |
| 太陽電池受光面の砂じん除去,現在水洗によって行われており,それを機械化して請け負っている企業も国内にある.乾燥地に大規模太陽光発電設備を導入する場合,水貴重な資源であり,手作業での洗浄人件費の観点から望ましくなく,機械で装置の可動部に砂じんが侵入して故障を引き起こす懸念もある.このように,太陽電池受光面の水洗や手作業でのメンテナンスが困難な場合で,かつ機械的な清掃システムで可動部故障が懸念されるような場合,可動部を持たず,水を使わず,自動的に受光面の清掃を行うシステムが要求される.本研究で太陽電池の受光面ガラスに電界カーテンを埋め込んで砂じんを除去することを想定して,除去性能の向上のため従来のクーロン力だけでなく,グレージェント力(誘電泳動力)も利用する電界カーテンを作成してその性能を調査する.あわせて,実用化に伴う問題点を洗い出し,その対策を考察する. |
【 研究方法 】 |
| 申請者これまでの研究で,電界カーテン上の80%以上の砂が除去できることを示したが,電極間の一部に砂のクラスターが発生し,それが移動しない問題点が発生した.砂のクラスター正電荷と負電荷が近接しており,電気双極子を形成していると考えられる.双極子不平等電界中でグレージェント力により電界の強い方向に移動する性質を持つ.そこで,太陽電池の左右の端に行くに従って電界が強くなる電界カーテンを提唱し,それによる太陽電池パネルの砂じん除去を行う.この電界カーテンで,砂太陽電池パネル上を下方向に移動しながら「脇に寄っていく」運動をすると考えられる.太陽電池パネルの「脇」パネルの「余白」となっているので,そこに砂が残っても発電性能に影響しない. |
【 研究成果 】 |
| 電界カーテン電極の形状・配置を従来の「直線電極を平行に配置する」ものから「直線電極を非非平行に配置する」「三角形形状の電極を組み合わせる」ものに変更することで,グレージェント力を発生させる電界カーテンを作成し砂の除去性能を調査したが,明確にグレージェント力によるものとわかる電界カーテン上の砂の動作は視認できなかった.しかし,砂じん除去性能は従来のものとほとんど変わらず高い性能が得られた.研究成果を踏まえて,電極を渦形に配置した電界カーテンを作成し,除去性能を調査したところ,砂じん除去の所要時間を短縮することができた. |
【 まとめ 】 |
| 本研究の目的は,太陽電池パネル上の砂じんを「上下方向の移動」だけではなく,「脇に寄せる(左右方向への移動)」ことで除去効率を改善させる物であった.当初想定していたグレージェント力による「脇による」動きは確認できなかったが,電界カーテン電極を渦状にすることでこの動作を実現することができ,砂じん除去の所要時間を短縮することができた.電界カーテンを動作させる間は発電ができないので,このことは「発電不能時間の短縮」につながり,発電性能の向上に寄与すると思われる. |
【 地球環境保全・温暖化防止への貢献 】 |
| 再生可能エネルギーとしての太陽光発電に着目した場合,大規模発電を行うには太陽電池を日射量が多い乾燥地に設置する事が有効である.この場合受光面に堆積する砂の除去を無人で,水を使わず,可動部分を持たず,消費電力が少ない(申請者の研究では太陽電池の定格発電量の0.4%未満)方法で除去できるため,発電電力量の増大およびメンテナンス費用を大幅削減が期待できる.また将来,SPSS(宇宙太陽光発電)による電力供給を行う場合,太陽電池パネル上の宇宙塵(太陽風により帯電している)もこの技術で除去できる. |
【 主な成果発表 】 |
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