地球環境研究助成08-01
電気化学的CO2吸脱着システムの多孔質炭素複合電極の開発
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【 研究の背景・目的 】 |
| 「カーボンリサイクル」の実現には、その前工程として省エネルギー型のCO2分離回収システムが不可欠である。本研究では、従来のtemperature-swing adsorption(TSA)やpressure-swing adsorption(PSA)ではなく、近年提案されたelectro-swing adsorption(ESA)法に注目する。均一な大きさのメソ孔をもつ「規則性メソポーラス炭素(OMC)」を適用したESAシステム電極の開発を目的とする。ESAシステムでは、アントラキノン(AQ)が電気化学的に還元された際にCO2が反応してカーボネートを形成することでCO2を捕集し、電位を酸化方向に変化させることでCO2を放出できる。またCO2回収に必要なエネルギーの観点から、ESAシステムはTSA・PSAと比較して省エネルギー型のCO2分離回収システムとなりうると期待されている。 |
【 研究内容・課題 】 |
| 代表研究者は、均一な大きさのメソ孔をもつOMCの細孔内にAQモノマーを配置した後、熱重合することで、細孔内にAQを配置する手法を近年見出した。本研究では、この手法をさらに発展させ、OMCの細孔表面にAQ部位を高密度に配置することで、CO2-ESAシステムの電極として高効率に動作させることを目的とする。これまでの研究では、炭素体表面へのAQモノマーの化学的な固定化によりAQの高密度化を達成してきたが、ESAシステムでの作動時にAQ種が電極から溶出し、長期使用における耐久性が不十分であるという課題が残されていた。 |
【 課題解決の研究手法 】 |
| AQモノマーの溶出の解決のため、本研究では「OMCのメソ孔内へのAQポリマーの固定化」を検討する。具体的には (1) OMCのメソ孔内へのAQモノマーの高密度配置、(2) それに続く熱重合によるAQ部位のポリマー化、(3) polyAQ/OMC電極のESAシステムへの適用、の三段階で研究を進める。この手法では、AQポリマーがOMCのメソ孔内に内包されるため、ESAシステムの電解液中へのAQ部位の溶出を抑制できると期待される。 |
【 期待される研究成果 】 |
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本ESAシステムではCO2吸着に要するエネルギーは非常に低く、約1.5 GJ/トン-CO2程度と試算されている。一方、多孔性シリカにアミン吸収液を浸透させた吸着材を用いる手法では、CO2回収に約2.5 GJ/トン-CO2のエネルギーが必要と見積もられている。これを比較すると、ESAシステムは省エネルギー型のCO2分離回収システムとして有望であると考えられる。
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