復興支援新技術開発-01
車麩巻き付け機械
技 術 開 発 契 約 者 |
北上電設工業株式会社 代表取締役 煖エ 悌二郎 |
所 在 地 |
宮城県石巻市 |
技 術 所 有 者 |
北上電設工業株式会社 |
技 術 開 発 者 |
北上電設工業株式会社 専務取締役 生平 和男 |
【技術開発内容】 |
車麩は全国に広がっている日本の伝統食であるが、その製造は小規模事業者が殆どである。車麩の製造工程において生地を棒に巻き付ける成形作業(図1)は熟練者の手作業で行われており、高齢の経営者自らが作業者であることも多いなど、技能者の高齢化による技能伝承の問題が生じている。 本技術開発はトレーにセットされた車麩の生地を、回転する巻き付け棒に巻き始めは手で巻き付け、その後はボタン操作で生地トレーが自動で軸方向に移動して巻き付け成形する半自動巻き付け機械の開発である(図2)。生地の粘着性、粘弾性に対して、熟練者の技能をもとに適正な巻き付け条件を再現し、さらに一度焼いた麩の上に生地を重ね巻きする多重巻きにも対応可能とする。簡単な装置構成の半自動機械とすることで小規模事業者が導入し易い価格帯で、かつ操作し易い新しい製造道具の開発をめざすものであり、車麩製造業界のニーズを反映した開発内容となっている。適正な巻き付け条件の探索には車麩製造業者が協力する。 本技術開発により、経験の浅い作業者でも巻き付け作業が可能になり、技能伝承問題の解決、作業者の雇用確保と車麩製造コスト削減の両立、経営者の時間の有効活用を可能にするなど車麩製造業界に対する貢献は大きい。 開発企業は、従来、ちくわ製造機、きりたんぽ製造機(シェアNo1)など食品製造機械の分野で実績を有するが、車麩巻き付け機械の開発中に震災で開発試作機のみならず社屋設備に甚大な被害を被った。本開発の再開においては、開発と製品化を地域の企業との連携で進める。そのため自社の復興のみならず、石巻地区復興への波及効果も大きい。 |