復興支援新技術開発-01
フォークリフト車両のパワーブレードアタッチメントの開発
技 術 開 発 契 約 者 |
株式会社 キャスト 代表取締役 酒井 英行 |
所 在 地 |
福島県白河市 |
技 術 所 有 者 |
株式会社 キャスト |
技 術 開 発 者 |
株式会社 キャスト 技術営業部 主任 柏村 洋一 |
【技術開発内容】 |
本開発は、自社保有率の高い汎用のフォークリフトの先端に取り付けて、専用除雪車を用いずに除雪できる「フォークリフト・パワーブレードアタッチメント」(図1)の開発に関わる。フォークリフト車両向けの除雪アタッチメントは現在、板状の鉄材をカットして、アルゴン溶接する工法で製作されている。本開発では、この溶接品を鋳造品へ工法を変えることで一体構造化を図る。この一体化鋳造品の開発にあたっては、CADを駆使した曲面構造設計技術(図2)、流動解析・湯流れシミュレーションなどCAE技術を駆使した中空複雑構造の実現(図3)、量産可能な高品質鋳造技術、独自の表面処理による高品質な鋳肌の実現など一連の独自技術を応用する。特に、中空複雑構造における湯流れシミュレーション結果と、実際の鋳造現場での条件(特に温度や時間)を突き合わせることによって方案を確立し、シミュレーションにおいては独自のメッシュ生成ノウハウを駆使するとともに、仕上げ工程においては独自のショットブラスト処理を駆使する。さらに、このキャスティングパワーブレードのフォークリフトからの落下防止のために、フォークリフト本体と固定させるベルトが必要となるが、その取り付け部に相当する金属金具の加工には高品質な表面が必要となり、福島県白河圏域複合企業体である「白河素形材ヴァレー」のチームメイト企業と連携して製作する。開発品は一体鋳造構造のため、十分な強度を有するのみならず、十分な重量を併せ持つ。従って、除雪の効率を高めることのみならず、雪以外の瓦礫・資材・土壌などにも使用でき、ひいては除染作業にも活用できると考えられ、数多くの需要が見込めると期待される。さらに本開発の過程において必要となる、発泡型および樹脂型の製作、加工、塗装工程などの作業は全て東北地方の企業との協業を活用し、復興の一役を担う。 |